働きながら学ぶことはできない?ロールモデルたちに学んでみた.
イベントの趣旨は,「働きながら学ぶことは難しいのかな」と両立を考えているけど,具体的に踏み出せない方々向けのものです.つまり,参加者想定は,
・学生(とくに大学院生)で社会人になってゆくけど研究とどう付き合っていこうかという人
・社会人でもう一度大学に行こうか考えている人
という感じになります.
実際に企業に所属(自分で立ち上げた法人もあり)+大学院での研究をやっている人たちをロールモデルとし,表の話(=研究と仕事のこと)から裏の話(=苦労・両立・お金)までをピッチ形式でのプレゼンと交流で学ぶという形で行われました.
自分自身が登壇者でもありながら,他のロールモデルの人たちの実践や研究はどれも興味深く,それだけで楽しかったですし,気づきも有りました.
とくに大きな気付きは「大学院に進学を検討する社会人」は,ミッションベースであることが多い,ということです.
僕もそうですが,他の人たちも文系・理系問わずそうでした.
自分のミッションがある程度でも描けているからこそ,大学院を舞台として自分をストレッチさせることができるのではないかと考えます.
誤解を恐れずに言うと,ピュアに”勉強すること”が好きだから大学院に行くのではありません.*1
また,知的好奇心を満たす”ため”に進学したわけもありません*2
そこはプラグマティックにかつ,目的志向に判断して大学院に行ったのだとところが共通して言えそうです.
自分の動機づけと目的意識が明確になり,やはり「大学院で学ぶ・研究する」という営みをライフキャリアに追加することを選択したら,あとは覚悟を決めて働きながら学ぶ環境構築のために奔走するだけ.もちろん、人によって,生活環境・状況は異なるので一概に「できる」とは言い難いですが.
まあ,働きながら学ぶことでの相乗効果はいくつかあると考えています.
簡単にまとめると,
- 働いた経験で得た「社会課題の勘所がわかる」という力が研究の増幅器になる
- 研究がより目的志向になり,研究室での「で,アプリケーション(応用)は?」の質問に強くなる
- 研究が社会実装であるということを身体にしみるように理解できる
- 結果,新しい課題発見能力も向上するし上記のサイクルが加速する
といったところでしょうか.
ほかにもあるかと思いますが,自分の発表内容を修正しつつ後日考えていきたいと思います.
▼
以下,登壇者の方々の発表を聞いて,頭に残ったフレーズメモとコメントです.(色ついているところは榎本の素朴な感想です)
◎すずかんさん
・新しいものとひとに出会うために大学に行くべし.(ぼくも同感!意図せぬ「新しさ」との出会いは爽快.)
・マスター出ていないとだめ,できればPhD(博士)まで.(ひょえーーっておののく.でも襟元が正された気もする.)
・日本は学校歴社会(「東大」「早慶」など)だが,海外は学歴社会(どのような学位か).(なるほど!と妙にがてん.以前から「学歴」の意味するところと一方でどのような研究/教育を経てきているかにずれがあるように感じていたので.)
◎やくしくん(ReBit代表)
・自分のミッションのために学問もやるというスタンス.(共感.目的志向型の大学院進学.)
◎Nさん(会社の事情により本名非公開)
・社内最適化されないのが大学院にもコミュニティを持っていることで得られるメリットである.(最初聞いたときには違和感を感じたが,あとからじわじわと納得度が高まる.社内最適化が悪ではないという捉えをしておきたいところ.あくまで自分がそのとき所属している社会環境における振る舞いや行動の随伴性の分析のこと.)
・マイペース大事.(うんうん,わかる.泣)
◎田澤さん(mizenクリニック豊洲院長)
・うつ診断をマルチモーダルデータを活用して行う(完全に自分の興味の範疇だからメモ)
・ミッションにあっていたら多角化できる.(田澤さんの生活は本当に予定がみっちりだし,多様.でもそこをなぜ実行できるのか?というフロアからの質問にての回答.やはりミッションベース.)
・単純に時間の累積ではない.掛け合わせ.(上記の質問に重ねる形で発言.ミッションに対して取り組む複数のことを掛け合わえていくことで最大効率化をはかる,と.言うは易く行うは難しなので,行う田澤さんはまじですごいです.)
◎だんくん
・レアな人材,1/100を3つもつとオリンピック人材.(聞いたことあったけど,だんくんは地でいっている.ワニ革に一目惚れ)
◎亀岡くん
・教育の実践と研究を融合して,実践に還元する.(そのとーり!よっ!)
◎加藤くん(EY)
・スライドがスマート・・・!(他社のスライドって勉強になりますよね.)
◎Sくん(会社の事情により本名非公開)
・研究か仕事か?ではない.食えて哲学する,ので良いのでは.(この発想は最近とても共鳴する部分があって,研究とか哲学とかはスタンスなのであって,職業名ではないのだというところに通じる.)
▼
またこのような会で働きながら学ぶことの可能性を考えてみたいと思いました.
別の機会で僕の発表内容を一部修正してまとめたいとおもいます.
(登壇者の集合写真)